消費者金融の法律ガイド



消費者金融の利用客からの白紙委任状取得

消費者金融の利用客からの白紙委任状取得について

貸金業規制法上は、消費者金融などの貸金業者が貸付けに際して、白紙委任状を取得することは禁止されていると考えられます。

また、債務金額が空欄になっているような同様の書類の取得も禁止されていると考えられます。

貸金業規制法は、消費者金融などの貸金業者が、貸付契約について、債務者や保証人から「債務の不履行の場合に直ちに強制執行を受けるべきことを記載した公正証書の作成を公証人に嘱託することを代理人に委任する」内容の書面、つまり、強制執行承諾文言の入った公正証書を作成するための委任状を取得する場合には、貸付契約における貸付金額、貸付け利率その他内閣府令で定める事項を記載しなければならないと規定しています。

これは、公正証書については濫用の危険性が高いという趣旨で設けられたものです。

また、この規定では、代理人名の白紙委任状は禁止していませんが、これは、代理人名の場合には、貸付金額や利率とは違って、弊害が少ないことと、委任状に代理人の特定も必要とすると多数の案件を処理する場合には不都合であることがその理由です。

ちなみに、金融庁事務ガイドラインでも、契約締結に際しては、白紙委任状の徴求を禁止しています。

上記の規定に違反すると、行政処分や刑事罰の対象になります。

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消費者金融(サラ金)が白地手形や白地小切手を担保として預るのは、貸金業規制法20条の趣旨に反する過大な担保の取得になるので許されないと思われます。

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白地手形、白地小切手とは、手形や小切手に必要な要件とされている金額や満期などが空白のままで、後日、取得者が補充することを前提にして、振出人や裏書人として署名した証券のことです。

手形や小切手は典型的な有価証券ですが、権利の内容は証券に記載されているものだけを基準に決められ、また、要件が未完成でも流通することが認められているところが特徴的です。

また、白地手形や白地小切手が不当に補充された場合でも、それを所持した人がそのことについて知らなかった場合には(悪意または重過失がなかった場合)、不当補充であると主張できないことになっています。

なので、白地手形や白地小切手で金額が空白の場合、あとで多額の金額を補充されても、不当補充の主張をすることはとても難しくなります。

貸金業規制法20条は、強制執行承諾文言の入った公正証書を作成するための委任状を取得する場合には、貸付契約における貸付金額、貸付けの利率その他内閣府令で定める事項を記載するように規定しています。

これは、白紙委任状を取得することを禁止したものです。

白紙委任状が濫用されると、実質的には貸付金額よりも過大な担保を取得することにもなりかねませんので・・・。

ちなみに、金融庁事務ガイドラインでも、白地手形、白地小切手の徴求を禁止しています。


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